毘の字

すっかり梅雨空
雨に濡れた草木が、水を得て一気に伸びようとしている気配が伝わってきます。

毘沙門堂山門正面から左手に祓川が流れ、その向こうに千手院がありますが、毎年この三角地帯に「毘」の字をかたどってお花が植えられています。
お参りに来られる方には必ず目にとまるところですが、これを管理するのも大変だと思います。感謝です。

この祓川・・・、河川改修が進んで深く、キレイになりましたが、私が小さい頃はここに貯水池があり、その際には立派な桜並木があって、とてもキレイだったことを思い出します。貯水池で釣りもしたりしました。

昔は川が浅く、よく水が上がったりしたそうなので、改修も致し方なかったかと思いますが、少し寂しい気もします。

実は昔ながらのお寺の立地条件には、一定の法則みたいなものがありました。今でいう風水もそれにあたります。比較的歴史の新しい寺院など、例外もたくさんありますが、四国や京都、奈良などの古いお寺には必ずといって良いほど、近くに川があります。
それも、北西から南東にかけて流れるのを特に良しとします。私も実際にお寺をお参りして歩いて自分の眼で確かめてきました。

この毘沙門堂もそれにかなっています。
坂上田村麻呂が約1200年前に毘沙門天を祀ったという伝えですが、やはりこの地を選んだ人はそういう知識を持っていたのだと教えられて驚きました。

しかし、だんだんと西洋化が進むと、東洋の立派な教えも軽んじられるようになり、「何故そうなのか?」という事を教えてくれる人がほとんどいなくなっていると思います。

お坊さんの修行でも、それを教えてくれる人は皆無に等しかったです。
そんな中、先代の老僧を始め、3人の方との出会いが私を変えてくれました。その出会いのご縁がなかったら、今でも何とも感じていなかったと思います。

浦佐の毘沙門堂もそんな条件と歴史をもった素晴らしい宝物です。大切にしたいですね。

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