いい話・・・。
久しぶりに感動の本に出会いました。
『明治人の姿』(小学館)櫻井よしこさんが書いたものです。
先日、ふと目に留まり買いました。
洗練され、教養の高い文化を江戸時代から明治にかけて引き継いできた日本、その人々の生活ぶり、心の在り方を紹介したり、現代の日本人が失いかけているものついて警鐘をならしたりしています。
そして、今の私の精神年齢の低さを痛感させられました。
身体だけは大人かもしれないが、心のレベルは昔の人の方がはるかにずば抜けている。戦中に特攻隊の青年が書いた手紙などを読んでも感じていたことですが、あらためて恥ずかしい気持ちにさせられました。
そんな感動を覚えながら、今晩はご詠歌の日。夜7時30分から栃尾から先生を迎えて楽しく過ごしました。
練習が終えてから、お茶を飲みながら話しをしていると、ある講員さんからTさんのお話しがでました。Tさんは千手院の御詠歌講が立ち上がる当初からズーッと代表を務めてくれ、皆さんをまとめてきてくれた人です。今は90歳近くになっていますが、痴呆のためにグループホームに入所しています。
ある講員さんが、そのTさんに面会に行ったのだそうです。
Tさんはその講員さんが誰かも覚えていませんし、家族さえも分からなくなっている状態のようですが、毎朝、般若心経だけはお経本も見ずに唱えるのだそうです。
それも、他の入所者、そこで働いている職員さんと一緒に唱えているそうです。
職員さんでさえもどこを唱えているか分からないのに、Tさんは一言一句を間違えずに唱え、間違っていると教えてくれる・・・、しかも、他の人達をとにかく「褒める」のだそうです。
元気なときは四国の八十八カ所、西国三十三番観音霊場などをまわり、信心の篤かったTさん・・・、何故でしょうか、そのお話を聞いてものすごく胸が熱くなりました。Tさん、素晴らしいです。