浦佐毘沙門堂・裸押し合い大祭

3月3日、魚沼に春を呼ぶ奇祭、裸押し合い大祭が行われました。

私は立場上、2日の献火式、3日の5座のお護摩修行、夜には水行のお祓いがあるため、様子を上手く伝えられませんが、直前の雰囲気をお届けします。

山門、ここからは馬を降りていかなければいけません。左側に「下馬」とあります。すべての人がここからは自分の足で立ち入りなさいということです。滑らないように雪の中には藁が埋められています。

山門を上がると長廊下になります。長廊下途中の右側に毘沙門堂、左側に千手院管理している古山門、つきあたりに不動明王うがい鉢があります。夜になるとサラシをまいた裸の男衆が勢いよく突進していきます。

長廊下沿いには奉納された大ローソクが飾ってあります。
これは飾ってあるだけですが、夜になると同じローソクには火がともされます。

長廊下つきあたりのうがい鉢。男達はこの水に肩まで入り、毘沙門天の御真言、「オンベイシラマンダヤソワカ」と唱え身を清めます。賽銭箱は夜には片付けられます。

身を清めると毘沙門堂内に押し入り、堂内奥の毘沙門天を参拝しようと押し合いを繰り返します。
堂内では昼間は5回のお護摩祈祷が行われ、夜になると仏具が一斉に片付けられ、押し合いができるように模様替えをします。

押し合いの最中には毘沙門天から与えられる数少ない金杯や銀杯(実際には木札が撒かれ、本部で交換をします)などが撒かれます。
毘沙門天の御利益をを得ようと、男達が取り合います。

押し合っていると暑くなってくるので、そうするとまた水行に行き、押し合いに戻ります。
そんな押し合いが夕方6時頃の中学生水行から、22~23時くらいまで続けられます。その間、疲れて帰る人もあれば、またひと休みして戻ってくる人もあり・・・もの凄いパワーです。

青年団最高幹部さん達が記念撮影をしています。
後ろのお堂が別行殿。ここに秘仏の毘沙門天が祀ってあります。毘沙門堂内の仏は御前立となります。別行殿の両脇の屋根には滑り止めの筵が見えます。お護摩の聖火にあてた「福餅」を、この上から撒きます。撒くのは毘沙門天を信心する人の集まり、「講中」と呼ばれる方達やお餅を奉納している「餅会」と呼ばれる人達が中心です。

長岡講中、小千谷講中、片貝講中など、県内外に多くの講中がありましたが、残念ながら今ではかなり少なくなりました。

重機を使って大きく作られた雪台。ここからも福持ちを撒きます。

境内にはおみくじやお守りなどもでています。町の方々が奉仕にでてくれます。

夜の押し合いの様子が紹介できず残念ですが、お寺の控え室からパチリ!大ローソクに灯がともされています。このローソクを多聞青年団が担いで金杯などを撒く方々を先導します。ローソクの火の力を借りて、堂内で押し合っている男衆に道を空けさせる役目もあります。灯が近づけば熱くてたまらないですからね。やけどをしてしまう人もいるくらいです。ただ、ローソクも相当重い物です。

こうやって裸押し合い大祭は深夜まで続きます。

日がまた昇り、4日からは毘沙門堂は閉じられ、7日からまた扉が開かれます。
春を告げる祭りにふさわしい穏やかな快晴になりました。

境内では多聞青年団が後片付けに追われます。
危険防止のため、あちこちに埋められた藁も掘り起こし集めます。そして青年団は後片付け後に本堂で慰労と次期幹部の引き継ぎがあります。来年のお祭りはここからスタートするのです。何でも理屈づくめの時代、こうして若い人が理屈、理論から離れた世界を経験することは必ず将来役に立つと私は思っています。頑張れ、多聞青年団!!!

おまけの1枚!浦佐の伝統菓子、「しんこ餅」です。浦佐では老舗の玉屋さんと東家さんの2軒が製造、販売しています。

ちょっと長い記事になってしまいました。。。

明日は埼玉での東日本大震災チャリティーコンサートがあり、日帰りで行ってきます。チャリティーですからボランティアですよ、念のため。

Follow me!

浦佐毘沙門堂・裸押し合い大祭” に対して2件のコメントがあります。

  1. 遠方の信徒・環閑亭 より:

    裸押合い祭り
    イヤー。押合い祭りに良くにあうすごい雪ですね。
    楽しく写真拝見してます。
    惜しい事に勇壮な押合い祭りの写真が無く残念(立場上無理かナー)
    出来れば懐かしいカジカ酒の写真が有ればGoodです。

  2. kenjunjun より:

    うっかり・・・
    環閑亭さん、こんにちは。

    カジカ酒・・・浦佐の人間があろうことか、うっかり忘れてしまっていました。

    お寺方は精進なので、つい・・・。

    しかし、山門下では賑やかで、皆さん美味しく召し上がっていたと思います。

    今度機会があった時には必ずUPしますね!!!

遠方の信徒・環閑亭 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


行事・お祭り

前の記事

いよいよ・・・
weblog

次の記事

ドタバタ・・・