お迎えの日。

昨日の朝6時から境内の提灯張り。門前地区の有志の方から毎年設営をしていただいています。

そして今日13日はお盆の初日。
私が中学生の頃までは、早朝に裏山の沢にヨシを採りに行き、午前中に盆飾りの準備を終えて、夕方3時くらいから夜8時、9時くらいまでお迎えのお参りがありましたが、最近は時代の変化か、遠方の方など13日の午前中からお参りにみえる方があるので、12日までにはヨシ飾りなど、盆飾りの準備を終えて、13日の午前中は細かい箇所のお飾りだけにしています。

境内には提灯と、正面に盆灯籠。

内陣と位牌檀(右側部分)はご覧の通り。見にくいですが、ヨシや季節の果物、野菜などが供じられます。

本尊様下です。
ヨシを門飾りにして、杉の葉とホオズキをかけてご先祖をお迎えします。本来はここは須弥壇(しゅみだん)というのですが、お盆だけはこの棚のことを「精霊棚」といいます。普段は位牌檀にある歴代住職のお位牌をお盆の時だけはここにおろして棚を作ります。

お位牌の前には施餓鬼鉢の中にキュウリ、ナスなどをサイの目に切ったもの、素麺、いごなど、飲み込みやすいお供えをし、ミソハギを添えます。蓮のあるところでは、蓮の葉を敷いて飾ってあげるところもありますし、浦佐ではとれるときにズイキの葉を蓮の葉の代わりにして供えることもあります。またキュウリの馬、ナスの牛を作って飾ります。

何故、サイの目に切るのか?ごく簡単に説明します。

お釈迦様の弟子の一人に目蓮という方がいました。
とてもかわいがってくれた母親が亡くなり、優しい母だったから、死後も大変良い世界に生まれ変わっているはずだと思っていました。

ある時、得意の神通力を使って母親の死後を観てみると、何と餓鬼の世界へ墜ちてしまっていました。餓鬼の世界とは、食べたくても食べられない、飲みたくても飲めない世界です。

お釈迦様に相談したところ、目蓮さんの母親は我が子には大変優しかったが、他の子ども達を同様に扱うことができなかった。そのために餓鬼の世界に行ってしまったとのお答えでした。

じゃぁ、どうしたらよいのか?と質問をしたところ、7月15日にお坊さん方が集まる機会があるので、そこで大勢の方々から読経をしていただきなさい、そして食事を振る舞って差し上げなさい、との事でした。もちろん、目蓮さんも出家をしていてお釈迦様の十大弟子のお一人でしたが、言われるようにしたところ、餓鬼の世界から抜け出て、天上界に昇っていった・・・、あまりのうれしさに目蓮さんはじめ、周囲の皆さんも踊ったり、歌が始まった・・・これが盆踊りのもとになるそうです。

本当に簡単な箇条書きですが、このような云われがあるため、もしかしたら餓鬼界におちてしまっているかもしれないご先祖、そして他の生きとし生けるものすべてのために、何とか食べやすいように、のどを通りやすいように工夫をしてお供えをしている事になります。

自分たちにできる、最大限の工夫をご先祖さまに手向けている・・・目に見えないあの世に思いを寄せる想像力と繊細な感性は素敵なものだなぁ~、とお盆の由来を知ってから感じるようになり、年々その思いは強くなっています。

今日は夜が長いので、午後はしばし休憩し、3時前後から歴代のお墓、お檀家さんのお墓参りへ行きます。夕方から夜8時前くらいまでは、本堂で読経供養を執り行います。今日も蒸し暑いですが、これも浦佐のお盆らしくて大いに結構です。。。

最後に、昨日の夕方、お盆飾りのヨシを採りに行くと沢の流れにオニヤンマが一生懸命卵を産み付けていました。こういう光景が当たり前に見れれることは、とても幸せなことですね。

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