お見送り。

15日までお檀家さんのお宅をお参りし、16日がお盆で迎えた精霊をお送りする日となっています。地域によって15日のところ、16日のところがあるようです。

お迎えをしたらお送りをする、お願い事をしたら報告をする、必ず物事は「対」で考えるように老僧からよく言われましたが、実はとても難しい事でもあります。13日にお迎えをする人は多いですが、お送りにくる方はまばらです。

そうした風習も先人達から受け継いでいる「生きる智慧」のひとつだと思います。こういうことは無意識のうちに日々の生活に反映されてくると思うからです。

千手院ではお昼前に素麺などのお供えをすると、ご先祖方をお送りに行き、あとは境内、本堂内の片付けに入ります。
お供物の八色スイカ、果物、野菜類なども一斉に下げ、下に敷く杉の葉も処分します。

片付けが終わると毎年親戚の方々と浦佐ヤナに行き、精進明けをします。

魚野川にかかる浦佐ヤナは浦佐の名所のひとつです。昨年の新潟福島豪雨の被害で壊滅的な打撃を受けたにもかかわらず、一生懸命営業を続けています。

魚沼の清流、魚野川には何カ所かヤナ場がありますが、ここ浦佐ヤナ場の川魚料理は天下一品です。
昔ながらの焼き場は炭火のススで真っ黒に黒光りし、川の男達が上半身裸になって鮎、ウナギなどを焼いてくれます。ここのうな重をいただくと、他のウナギとの差が歴然と分かります。

私が中学生の頃までは、この魚野川で泳いだり、深みに飛び込んで遊んだり、ヤスを持って魚つきをし、川の中州で火をおこし、枝を削ってついた魚をさして魚焼きをしたりして遊んだものですが、今では学校や漁業組合の関係などもあり、そんな光景は全く見られなくなりました。

子供ながらにそういう経験を通じて自然の厳しさと優しさ、身を守る術を学ぶことができたと感じていますが、川でなくとも今の子供達には是非経験して欲しいと願うことでもあります。

今年も無事にお盆を迎えることができました。感謝です。

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