約50年ぶりに・・・
今日はご法事がありました。
明け方にはバシャバシャと雨模様で、納骨があったのでお天気が心配でしたが、その頃には雨も止み、無事に納骨ができました。
お斎(おとき)から戻ってからは、ご覧の漆器の拭き直しを始めました。
文政から明治期のものまで、200年~150年ほど前から、昭和30年代、つまり50年ほど前までお寺で使われていた漆器類です。
今では、ご法事のあとのお斎(食事)は料理屋さんを使うようになりましたが、昭和30年代、40年代前半くらいまで、お斎の多くはお寺の本堂でした。私にはその記憶はありませんが、母親世代はまだよく覚えているそうです。
そのお料理をだす器もすべてお寺のものを使っていたそうで、それらが長いことしまってあったのですが、手に取ってみると昔ながらのしっかりした漆器類・・・。黒塗り、朱塗りと、かなりの数の器が残っています。当時の住職、寄進者名も残っています。
50年ほどは使われていなかったので、ほこりや汚れがかなりついていますが、拭き直すとしっかりとツヤが戻ってきます。やはり昔の人の仕事ぶりはすごいものだと驚かされます。器を手に取り、その歴史に思いをはせると何とも言えない気持ちにさせてくれます。
時間をかけて大掃除にとりかかることにしました。
大切な漆器類です。取り扱いには要注意をしながらです・・・。
私の母が10代の頃には、食事が終わるとぬるま湯で汚れを落とし、あとは何人もの女性が並んで、何重にも拭き上げて湿気を一切残さぬようにして保管をさせられたものだ・・・とのこと。時には絹で拭いたこともあったそうです。
思わず、この漆器で食事をしてみたくなってしまいました。。。