山折先生のお話。

午前中に事務仕事を終え、午後から長岡市へ行ってきました。

真言宗の豊山派と智山派の2派で組織している、新潟県布教推進連盟の総会と60周年を記念した講演会、祝賀会がありました。

肖像権の関係上、こんな感じのところでおこなわれました。
住職、副住職だけでなく、今回は奥様や壇信徒の皆さんも参加していました。

講演会の講師は有名な宗教学者の山折哲雄先生。現在は京都にお住まいとのことで、ご高齢にもかかわらず遠路長岡までお越し下さいました。

演題は『空海の挑戦』ということで、90分の講演中はとても聞き入ってしまいました。

そのお話の中で特に印象に残った点があります。

先生が勉強を重ねてきて、問いかけること。それは「人間とは何か」「日本人とは何か」「自己とは何か」という3点である。

そして、今は「心の時代」と唱和して、先生も文科省などの会合に何度も呼ばれたということですが、そこに集うのは心理学者、社会学者、精神科医ばかり。それは皆明治以降にでてきた分野ばかり。1000年以上の長きにわたって、日本人の心を形作ってきた宗教を全く論じることができない。それをなくして「心」の問題は解決できないとお話するのだが、官僚方は全く聞いてくれない。

私も思っていたことをズバリお話して下さいました。いつもテレビを見ながら思っていたことです。

そして最後にズシンと心に響きました。
最後の質問の時間、あるお檀家さんの「先生、今のお寺はいったいどのようにしていったら良いのか?」という質問に、「ん~、難しい問題ですね。一概には言えないですが、在家仏教に徹するのが一番良いのでは・・・」そして「何を言ってもあまり意味がないと思う」、さらに、「かなり絶望に近いですね」と、静かに、諭すようにお答えになりました。

この言葉に、今日出席していた、どれほどのお寺さんが危機感を持って接したであろうか???
仏教には素晴らしい教えがあり、それこそが日本人の心の根幹を作り上げ、今もなお人の心に息づいていて、悩める人を救う手立てがある。しかし、明治以降に世襲化、制度化された今のお寺(坊さん)には、無理であろう・・・、そんな警鐘をいただいたと私は感じました。

仏教の可能性とともに、大いに反省させられた先生のお話でした。

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