ヨシとり
またまた台風が近づいてきているようですね。
進路次第では新潟にもやってきそうな感じです。
今日の浦佐は快晴!朝晩は涼しく、日中は真夏・・・。
さて、千手院では早くもお正月準備のひとつ、ヨシとりを行いました。
千手院わきを流れる祓川から切り取り、これで約300本のヨシになります。
このヨシをしばらく乾燥させ、皮をむいて、一定の寸法に切りそろえてお正月のお日待や星祭、各種のご祈祷のヘイソクに使用します。
1本のヨシからヘイソクに使えるものが3本程度とれます。今は昔よりずいぶん数が少なくなりましたが、それでも毎年900くらいのヘイソクを用意します。
私が小学生のころはお彼岸の頃にとりにいきましたが、だんだんと山が荒れ、ツル系統の植物がヨシを覆ってつぶすようになったりして、ここ数年はかなり早めにヨシとりに出かけています。
前は家族総出でとりに行きましたが、今は数が少なくなったこともあり、私が今日1日かけて何とか数がそろいました。
いつもヨシとりの時期にはブログにつづりますが、このような伝統が残っているのは千手院くらいだと思います。(良いとか悪いとかではありません)県内の同じ宗派の方に聞いても、今ではどこのお寺もしていないのです。ご祈祷にヘイソクを使うところも本当に少なくなりました。
さらに今はヘイソクも、それを立てるお道具も皆業者へ発注しています。
紙を1枚1枚折り、小刀で切込みを入れ、それをたたみ、ヨシにさしてヘイソクを飾る・・・千手院では今でも全部手作業です。
もちろんヘイソク以外でも、様々な業者に依頼しなければお寺の仕事が回っていかない所も多々ありますが、できるだけ丁寧に、昔からの風習を伝えていきたいと思っています。
ひとりで、自分のペースで、川の音、鳥の声、虫の音を聞きながら、ゆっくりと時間を使って仕事ができることを幸せに感じています。