浦佐のお念仏

昨日、8月9日は昔から観音様のご縁日とされ、様々な行事が催されてきましたが、今では「そんな事をしていたの?」と、知らない方がほとんどになりました。

この日までに、浦佐の盆灯籠をお飾りします。毎年住職が切り換え、お盆を前に荘厳します。大体丸2日かかります。

この形の盆灯籠は高野山で飾られるものです。高野山のものは全部白色の紙で飾られますが、浦佐に伝えられてからは、浦佐独自の色や切り方が加えられて今の形に伝えられています。

東日本には高野山真言宗の寺院が少ないこともあるのでしょうが、この高野山からの盆灯籠は私の知る限り、新潟県内では浦佐のみに残されています。これも、浦佐出身である、高野山第393世座主、関栄覺大僧正の影響が大きいことは言うまでもありません。

昨年から、この8月9日に浦佐のお念仏供養を申し、今年もコロナの影響がありましたが、開催させていただきました。

写真のような、葬儀のたびに荘厳されていた祭壇も今ではホールを多く使うようになり、お飾りする機会がめっきり減りました。

浦佐のお念仏とは、西国三十三番観音霊場のご詠歌を、浦佐独特のメロディーを付けてお唱えし、三十三番観音霊場をお参りした功徳が故人に届くよう、葬儀当日の夕方に本堂で、地域の皆さんが集まって行われてきました。

しかし、生活形態の変化や様々な要因なのでしょう、ここ数年で「全く」行われなくなりました。施主の高齢化や若い人達の生活に余裕がないこともあるのでしょう。

せめて年に1回でも・・・という事でご供養させていただきました。お盆を前にすべての御霊にこの功徳が届くことを願って・・・。

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