そら

毎年、一年の中で2月が一番静かに過ごせる月なのですが、今年はちょっと様子が違い、ご祈祷、宗派の仕事、ご法事など、いろいろと続いております。

命の重みに大小はなく、皆かけがえのない生命なのですが、昨日は小さな、小さな命を見送りました。

前にブログで書いたことがありますが、私達僧侶は、どちらかというと檀信徒の方々から後ろ姿を見られています。本尊様に向い、ご位牌に向い、結果として参列している皆さんには背中を向けています。

「背中で語れる坊さんになりなさい!」そんな師匠の言葉を思い出します。

小さな命を見送る前日の夜、本堂で御霊を送る修法を修めました。

私は俗にいう「霊感」などはありませんが、時折、「何か」を感じることはよくあります。目には見えないけれど何かを感じるのです。風は目に見えませんが、たしかに吹いている・・・北風、南風・・・、私だけでなく、「風」は皆さんも感じることができるでしょう。

「あぁ、何かが来ているなぁ~」「迎えに来ているなぁ~」、本尊様と一対一で拝んでいながら「感じる」のです。今回のそれは「暖かい」ものでした。優しく、暖かく、まさしく南風・・・。

別れを告げたご遺族の悲しみは計り知ることはできません。しかし、「必ずまた会える」・・・そう思いました。少し時間が経って、心が落ち着いたらご遺族にはお話をしたいと思います。

背中を見られているのが坊さんです。檀信徒の皆さんから見れば、手抜きをしていればすぐに見抜かれるでしょう。しかし、その事に気がついているお坊さんはあまりいません。お坊さんという業界?にいて、つくづく感じます。

反面、ご本尊様や先祖のご位牌を前に真摯に読経を上げ、背中を見られ、読経後、振り返って檀信徒の皆さんのお顔を拝見すると、坊さんなりに檀信徒の心のうちが見えるものなのですよ。ただ単にお顔を見ただけでは分からないと思います。本尊様、ご先祖様に向き合った後で見るとよく分かる、感じるのです。

かけがえのない命を見送った日、浦佐は快晴でした。

電線が邪魔していますが、巻機山、遠くは谷川岳方面までよ~く望めるほどの快晴でした。

必ず御仏のお導きがあると確信しています。

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