お盆を終えて

皆さんはどのようなお盆を過ごされたでしょうか?

浦佐も暑かったものの、例年通りの穏やかなお盆でありました。13日に迎え火を焚き、夕方から夜にかけて本堂でお盆のお経を上げ、14日、15日と新盆をお迎えになる檀家さん、また例年お盆にお参りに伺っている檀家さんのお宅への棚経(たなきょう)参り、16日に早めのお昼を歴代住職と檀信徒の位牌壇の前にお供えしてお送りし、あとは一斉に後片付け・・・といった感じです。

今日は細かい後片付けをして一息ついているところですが、台風の影響でしょうか、お昼前くらいからスコールがきたり止んだりといった感じで不安定なお天気で、とても外に出られる感じではありません。お盆中でなくて良かったです。

今年も弟に手伝ってもらいながら、檀家さんのお宅へお参りに伺いました。衣をきているので毎年汗をかきかきで、檀家さんには汚らしくて申し訳ないと思っているのですが、「夏」ということでお許しください。

本山の長谷寺で修行していた頃、尊敬する先生から、しっかり念じて「汗をかくな」「汗を止めろ!」と言われましたが、未だにその域までは達しておりません(^_^;)

今年、あるお檀家さん宅へお参りに伺った時、大学生の青年が親と一緒に手を合わせていました。スポーツをしていて日に焼けた体育系の男子、背筋がしっかり伸びて、いまでは珍しくお経の間も、終わってお茶をいただきながらお話をしている間もビシッと正座をしていました。

あるスポーツにずっと一筋で打ち込んできたが、そろそろ就活も始まり、自分なりにいろんなことを考えている様子・・・自分から私に聞いてきました。「どこか旅行に行こうと思っているのですが、お勧めの場所はありますか?」しっかりした男子だなぁ~と感心しました。自分の知らないところで、知らない人や世界を見ながら今後の進路を考えていきたい様子で、あちこち旅をしているとのことでした。

そう聞かれれば、私はどこでもいいから先ずは海外旅行をお勧めします。10代から20代はとくにそう思います。親が元気でいてくれ、それでも融通が何かとききやすい若い時にこそ異文化にたくさん触れて欲しいと思います。

国内では坊さんとしてはやはり高野山、そして那智熊野、東北の秋田や岩手の山奥の秘湯なども面白いよ・・・と答えました。他にも出雲大社や恐山なども独特のカルチャーが存在しています。

挫折をした時、これからの進むべき道を考える時、「旅」をすることはとても大切だと教えられています。教えの中にある「旅」とは、「家の外に出る」ことを言います。泊まりやドライブなど遠くへ行くことも「旅」、散歩したり、畑に出かけたり、新しいお店がオープンしたと聞いてでかけてみるのも、買い物に行くのも広義には「旅」なんですよ。

ワタクシ事で、自慢でもなんでもありませんが、10代から20代、30代中頃までたくさんの海外を旅させてもらいました。旅するためにアルバイトをしていました。若い頃に経験したカルチャーショックは本当に宝物になりました。それができたのも老僧や先代住職、家族が元気でいてくれたおかげです。「自分で稼いで行くならいいんじゃないか」と、自由にさせてくれたのです。危ない場面も多少ありましたが、それもまた良い経験になりました。

だからこそ、若い世代には言いたいです。世界には想像もできないような文化や人達が大勢いて、外側から日本を見ることがおおいに成長に繋がります。それを「若い時」に経験することです。海外を見てくることです。年をとってからでも良いですが、人生に与える影響はずいぶんと違うと思います。

だからか、海外情勢には興味ありますが、今では海外旅行にはほとんど興味がありません。日本の伝統文化や先人達の教えがいかに素晴らしいものか、地元の文化や食、水が有難いか、そういったものを楽しみながら守り伝え、先人達の恩に報い、子供達に伝えていけるか・・・と思っています。

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