大切な人の涙雨

10月の第1週はご法事や他のお寺様の大行事などがあり、あっという間に終わりました。

お天気もすっかり秋らしくなり、千手院裏の薬師山からも何かが飛び出してきたような3つの雲・・・。

今日の午前中まではお天気が持ちましたが、午後からシトシトと雨が降り始めました。

大変お世話になった檀家さんの法要と納骨がありました。

私も含め、きっと多くの人が感じることだと思いますが、いなくなってみて気がつかされることの実に多いこと・・・、あれもしてやりたかった、あの事をよく聞いておけば良かった、えっ、あの人は私の知らないところでこんな事までしていたの・・・いなくなってから悔やむことが多いものです。

自分だけが良ければいい、お金さえ儲けれればいい、人のことは知ったことではない、そういう風潮が年配者から子供達にまで感じられる機会が増えました。

同年代の親御さんや若い世代の人達の悩みを聞いて、たしかに経済的にも厳しく、それは心の余裕も奪い、1円でも節約しなければ・・・という思いはよく分かります。

また年配者は年配者なりの悩みがあるのも、常日頃感じています。

今日の仏様は何より自分の事は後回し。家族のため、人のため、社会のために頑張ってこられました。そいう人は強くなれる、強くなった人間は人に優しくなれるのです。

そのような人の背中を見てきたご家族は幸せ者です。

人が成長するために「欲」は大切です。しかし、欲の達成イコール幸せとは限りません。人間の欲は底なし沼です。弘法大師さまは欲を超えた「大欲」を持ちなさいと仰いました。世の役に立てること、人を助けられる人になること、そういう心を持つこと。「幸せ」を感じられる人というのは、そのような人だと思います。

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