あの世にお金を持っていく方法
季節の変わり目か、お葬式が続いております。
夜になると秋の虫の大合唱・・・朝は涼しく少し肌寒いくらいで、徐々に起きるのが大変になってきました。
今日は仏教の教えでも何でもありません。私の師匠から聞いた面白い?話のひとつです。
若い頃、東京に葬儀に出かけました。斎場の中を歩いていたら他の参列者からのお話が聞こえてきました。
「へぇ~、斎場にも特別室なんてあるんだね。あの世も金次第か~」と。
田舎にはそんなところはありませんが、東京の斎場には特別室があるんです。
葬儀からお寺に戻り、師匠とそんな話をしていた時に、あの世にお金なんて持っていけないのにね・・・とつぶやいた私に、こう言いました。
「(笑いながら)あのな~、実はひとつだけあの世にお金を持っていく方法があるんだぞ」「えっ、どうやって?(私)」と聞くと、「自分の棺の中に、お札を入れて一緒に火葬しなさい。そうすれば持っていける。けれど、そんなことができる人はまずいない。」との話。
学生時代からあわせて、お葬式に立ち会わせてもらいはじめ、今年で36年目になりますが、棺の中にお金を入れた人をたった1人だけ見たことがあります。
祖母を見送る20代の若い女性でした。
棺の中には三途の川を渡るための六文銭を入れてさしあげますが、「おばあちゃん、これ私の初任給。六文銭では足りないかもしれないから、これ持って行って。今まで本当にありがとうね。」と声をかけて、お札を棺に入れてあげました。
その時、本当に感動しました。
働き始めたばかりの、余裕がないであろう若い女性が、自分の大切なお金を何の迷いもなく入れてあげたのです。「自分の身銭は1円たりとも出したくない」そんな大人が多く、相続でも争ったり、いがみ合ったりすることが多い世の中で、このような立派な人もいるのだな・・・、これも亡きお祖母様の人徳、生き様だったのだろうなと勉強させられました。
あの時の彼女はどのような人間に成長していることでしょう?
お子さんもいるのかな?さぞ幸せな家庭を築いていることだろうと、今でもたまに思いだします。
老僧にはお金のこと、生き金と死に金のことなど、面白い話をたくさん聞きました。それを現実に照らし合わせ、生活に落とし込んで見ていると「なるほどな~」と思うシーンがたくさんあります。また機会がありましたら綴りたいと思います。

