33回忌は誰がする?
毘沙門様に片手合掌!見下ろすようで申し訳ございません。
今年は随分雪が少ないのですが、浦佐毘沙門堂の前に建つ古山門の小屋根の雪おろしをしました。雪の量は少ないのですが、この暖かさでずっしりと重くなったので、念のための除雪です。
さて、千手院では1月になると、1年の年回忌供養があたっているお檀家さんにハガキで通知をさせていただいています。本堂の廊下にも一覧表を掲示していて、御年始に確認してもらうのですが、喪中や遠方などで来られない人もいるのでハガキも出させてもらっております。
そんな中でここ数年、「今年25回忌があたっているんだけど、33回忌まで自分の体調がどうなっているか?できるかどうか分からないから、今年まとめて33回忌までご供養してもいいですか?」そんな質問をいただくことが多くなってきました。
ちなみに千手院では1周忌から、3、7、13、17、23、25(27)、33回忌とあります。全国的に25回忌という地域と、27回忌という地域があります。浦佐では25回忌ということでご供養が行われてきました。ですから23回忌が終わるとすぐに25回忌がきて、最後に33回忌となるわけです。
33回忌を迎える頃というのは、順調にいけば、すでに孫の代になっているのです。
ですから、先々代賢能和尚は「33回忌は孫の勤めだよ」と仰り、先代賢昭和尚は「33回忌は孫の勤めだが、事情があるときには考慮して早めにご供養をすることも考えます。ただ、本当に33回忌がある年には簡略でよいから、その年にご供養を再度あげてください」とお話しました。
15年ほど前までは、どの家でも孫にあたる世代の人達がしっかりと33回忌法要をお上げすることができていました。しかし今は団塊の世代の人達が、自分で親の33回忌までご供養しようとするケースが多いようです。その理由は、子供がいない、子供とは別々に住んでいて相談するとうるさがられる、自分の親なんだから自分でやってくれと言われる、迷惑をかけたくない・・・そのように言われます。
子供がいないケースは致し方ないでしょう。
お墓のこと、お葬式のことでもそうですが、「迷惑をかけたくない」という言葉をよく聞きます。しかし、人は迷い、戸惑って、どうすれば良いか自ら考え、相談し、決断していく力をつけなければ成長しないのです。
エンディングノートしかり、自分の最後はこうやって欲しい、そうリクエストしておくのは良いと思います。ただ最後は「お前達に任せる」「お前達の好きなようにしてくれ」そう言って、お子さん、お孫さん達に託して欲しいのです。それが子や孫を成長させるのです。言われた事だけやっていてはダメなのです。
大きな大木が力尽きて最後に倒れます。そのままにしておいても朽ちて、土に帰って、新しい命を育みますが、人によってはそれを机にしたり、椅子にしたりして、大切に後世に受け継いでいきます。どちらでも良いのですが、どうするかを考えさせないと、自分で決めさせないと・・・、イチ僧侶として最近つくづく考えます。
話が少しそれてしまいました。ですので、33回忌を孫が施主となって、ささやかでもきちんと執り行えるご家庭を拝見すると、「このお宅は大丈夫だ」と思えるのです。
33回忌を迎える頃、故人のお孫さんが中心になって動いてくれるか?それとも歳を取った故人のお子さんが、やっとこさで取り仕切らないといけないか?ご供養すること自体に変わりはなく、どちらも尊いものですが、基本は「お孫さん世代ができるかどうか」だと思います。
千手院先々代の33回忌もあと7年ほどで訪れます。孫の私がしっかりと行わなければいけないと思っています。