二七日
千手院の檀家さんではありませんが、今日は大切な人の二七日(ふたなのか)供養の日でした。
千手院のご詠歌講が始まる時の中心メンバーのお一人・・・私なんかを「若様」と「様」付けでよんでくれた世代の人でした。ご詠歌を通じて本当に全国各地の神社仏閣をお参りしたり、温泉に入ったり、宴会をしたり、たくさんの思い出を作ってくれました。
また、毎月2回のお稽古の中でも、色々なお話を聞くことができました。ご商売をしている関係もあったのでしょうが、昭和前半の浦佐の様子や住んでいた人達、生い立ちなども良く知っていて、何度かこのブログでも書かせていただいた高野山第三九三代目座主、関栄覚大僧正様のこともかなり分かり、昔の資料なども持っていました。
人は亡くなってから「あれも聞いておけば良かったな・・・」と思うことが多いと思いますが、「聞いておいて本当に良かった」と思っています。
最後に近くなるまで頭もよく回り、冬にはお住まいのお部屋から千手院の薪ストーブの煙が上るのがよく見えたそうで、ご詠歌に来ながら楽しそうにお話してくれました。
ご葬儀の日の朝は快晴。放射冷却で冷え込んだ朝だったので、最後の送り火に薪ストーブに火を入れました。
お亡くなりになったのは、故人が毎年楽しみにしていた「開白の薬師様のご縁日」。
晩年は苦労も多かったかと思いますが、最後の旅立ちは雲ひとつない快晴の中、みなさんと一緒にお唱えしたご詠歌に送られ、素晴らしい日となりました。人は皆、それぞれに役割、ご縁を背負っていると思います。故人はその役割を全うしたのでしょう。それでなければこのような日を最後に迎えることはできないと思います。
ありがとうございました。良いお導きがあるよう、故人が通った千手院本堂で二七日をご供養させていただきました。