あの日から18年・・・
昨日は千手院の先代、賢能和尚の命日でした。
遷化されてから18年、毎年この日には思うことですが、先代がいなくなってから自分は何をしてこれたのだろうかと自問します。
私が男性の平均寿命まで生きることができたとしても、残された時間は30年程度しかありません。
お釈迦様は「私のことを真に供養するということは、私の残した教えを実践していくことだ」とおっしゃいました。
先代の残してくれた教えを自分は実践できているだろうか???これからも問い続けて、そして千手院が檀信徒の皆様のお役に立てるように頑張りたいと思います。
そういえば、この前あるお坊さんが言っていました。
「偉いお坊さんより、有り難いお坊さんになれ!」と。「千手院は有り難いよなぁ~」そんな風に言われるようになりたいものです。
私の好きな光景のひとつ、3月3日裸押合大祭が終わった後の毘沙門堂の長廊下・・・。雪が残るなか廊下に筵が干され、雪の上を走る風が心地よく、聞こえてくるのは沢の水の音、あのお祭りの騒ぎはどこへやら・・・、強者どもが夢の跡・・・という光景です。
これだけの筵を干してくれる寺男(てらおとこ)さん達の労力にも頭が下がります。
ここのところの暖かさで山肌も一気に黒くなってきました。
浦佐駅前から見える薬師山、浦佐城跡のお山です。この調子ですと早春の草花の開花も早そうですね。
3月3日以降、浦佐はお葬式が続いています。
今日も葬儀の打ち合わせに、心配事相談、御祈祷という具合で、1日があっという間に終わってしまいました。
ホッと一息つける時間・・・炭火を前にした時です。
冬はほぼ毎日炭をおこし、鉄瓶でお湯を沸かします。今日は残り火でクルミを割りました。クルミは食べるも良しですが、クルミ油を絞って昔から廊下や柱、什物類を磨くときにも使われてきました。これも手間暇かかりますが、とても大切なことです。
先代からはこのクルミの油の事をよく言われ、できる限りクルミを使用して手入れをしていますが、私は時間があまりない時は天然の蜜蝋や椿の油を使用します。
しかし、このクルミがピカイチだと思います。
そうそう、今年の大河ドラマの真田丸のオープニングで、白山大権現の床の間が流れるシーン、床がピッカピカに光り輝いていますよね。
群馬や長野、そして越後でも昔の床やローカはほぼクルミ油で磨き上げられていると思われます。他はやはり椿か蜜蝋、菜種油などの入ったものでしょうね~。
とーってもアナログな世界ですが、何故なんでしょう?手間暇かけて、ゆっくりと時間が流れているとき、心が癒やされます。
千手院の廊下や柱も、私ができるうちは合成塗料など使わずに磨き上げていきたいと思っています。