おふだにねがいを
昨日までの暖かさでしだれ桜のつぼみもご覧のよう、かなり色づきましたが、今日はとたんに気温が下がり雨模様・・・、昨日までが暖かすぎたのですが、気温差があって人間の身体にもこたえそうです。
さて話は変わります。
「おふだにねがいを 呪符(ふふふ)」と、なにやら怪しげなチラシ?
実は中央の御札は千手院で御年始の際に配布している「蘇民将来子孫門戸也」の御札です。
この蘇民将来・・・については、きちんとした由来があり、今でも伊勢神宮周辺ではどの家庭でも商売をしている方でも当たり前に祀られているものです。
今回、新潟県立歴史博物館さんの春季企画展で、新潟県内の祈りやまじないの在り方を歴史学や民俗学など、多方面の視点から明らかにしていく催しに、千手院の御札とその版木が出展されることになりました。
「呪い」と書くと、皆さんは「のろい」という事を連想し、何か怪しげで、怖いもの、そんな印象を持たれるでしょう。
ただ、これは「まじない」と呼んだ方が良いのかもしれません。
また、千手院は真言宗ですが、真言宗ではすべての仏様に真言というものがあります。その真言は経典をみると「○○呪(咒)」と書いてあります。
薬師如来の大咒、仏眼仏母の咒・・・などのようにです。咒は呪の異字体です。
ですから浦佐でおなじみの毘沙門様の真言、オン・ベイシラマンダヤ・ソワカというものも「咒」なのであります。
「呪」とは決して怖く、恐ろしいものではないのです。
よく怖い映画などで使われている文字なので、ついつい頭に焼き付いてしまうのかも知れませんね。
浦佐出身の戦争経験者が、飛び交う銃弾の中を命がけで駆け抜けなければならなかった時、無意識の中、無我夢中で叫んでいたのは「オン・ベイシラマンダヤ・ソワカ」という毘沙門様の真言だったというお話しは私に強烈なインパクトを与えました。本人も不思議がっていました。「お母さん、お父さん」という言葉ではなかったのです。
人によって皆違うのでしょうが、本当の命がけのシーンというのは、そういうものなのかも知れません。
そんなわけで、長岡市の県立歴史博物館にて、4月23日から6月5日までやっておりますので、是非機会がありましたら足を運んでみて下さい。
私も22日の開場式には依頼があり出席することになりました。なんとテープカットですって。生まれて初めてのことなので「いいのかなぁ~」と思っていますが、これも有り難いご縁ですから、楽しんで出席してこようと思っております。
この千手院の蘇民将来・・・の御札ですが、毎年檀信徒にお配りしていますが、その由来説明について封筒などに印刷を入れようと思っていた矢先に今回のお話しがありました。
博物館では由来も紹介されていると思いますので、この機会にご覧になってみてください。