印象に残った言葉・・・

皆さん、今年はどんな1年でしたでしょうか?

千手院は例年以上に忙しかった1年でした。
大雪の除雪作業に追われる冬から、春には四国巡礼、また墓地の法面崩れ防止工事の準備が始まり、秋には皆様からご寄付をいただいて工事に着工、また住職が入院、私も風邪をこじらせ、思わず重症になるなど・・・、その間、宗派の書記の仕事がてんこ盛り・・・、いや~、良いことも悪いことも山盛りで、充実感たっぷりの年でした。

さて、今年の流行語大賞はお笑い芸人の「ワイルドだろ~」だったようですが、私は印象に残った言葉が2つありました。

ひとつは、ノーベル賞を受賞した山中教授の言葉です。
名言としてマスコミでも大きく取り上げられましたが、私が印象に残ったのはその一節で、「答えは自然の中にある」というものです。
ほとんどの人には気づかれもしなかったような部分ですが、私が普段思っていることを再確認できたコメントでした。漠然としているかも知れませんが、最大限の努力を重ねた上に、最後には一番大切なヒントや答えは山川草木の中に隠れていると思います。

ふたつめは、大河ドラマ『平清盛』からの台詞でした。どうも視聴率はよろしくなかったようですが・・・。

中井貴一さんが演じた清盛の父親、平忠盛が清盛に言いました。
「己にとって生きる意味を見つけたとき、心の軸ができる。心の軸は身体の軸を支え、身体の軸は心の軸を支えるのだ」という言葉です。

私は思わず鳥肌がたってしまいました。仏教の五重塔の作りとダブってしまいました。

実は五重塔の内部には「心柱(しんばしら)」という柱があります。これは地面についているものもあれば、ついていないものもあるのですが、この心柱のおかげで耐震構造が強く、何百年という間、大きな狂いもなく、災害にも耐えて今に建っているのです。凄いことですよね。

これを古の人達は「心の柱」と名付けたというセンスというか、感性には本当に感動します。外からは一切見えないのですが、それがなければ塔は建っていられないのです。そして外から見える部分も大変繊細で正確な計算の上に建っているのです。これは今に劣らぬ数学の知識がなければ絶対にできないものです。

外だけでもダメ、中だけでもダメ、心と身体がお互いに強くあることで困難に打ち勝っていけるという仏教の教えを五重塔は伝えてくれていますが、それと平忠盛の言葉がシンクロして、一度聞いたら忘れられなくなってしまいました。

そして心の柱を作るには、実は「上下関係」が必要だという教えがあります。親子、師弟、先祖などがそれにあたります。

それにしても中井貴一さんは格好良かったです。格が違うな~ってほれぼれしてしまいました。
人間模様が泥臭い、映像が汚い、分かりづらいなどと色々言われていましたが、あまりにキレイすぎる脚本より、私はそんな現実的な描写が結構好きでした。

ちょっと長くなってしまいました。今年、印象に残った言葉でした。

明日、31日はちょっとお寺がバタバタしてしまいそうです。
今年も本当にささやかな山寺のブログに訪れていただきありがとうございました。HPなども細々と手作りの、色気のないものですが、また来年もお立ち寄りいただき、千手院が普段どのような仕事をしているのか、感じているのかをご覧いただければうれしいです。

皆様どうぞよいお年をお迎えください。素晴らしい未来が訪れますように、心から祈っております!!!

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